side柚


離されない手、
特に喋る事のない龍之介。

その顔を見れば……。

「どーしたの?」

「え?」

「いや、龍……いや、なんでもないよ。」


さっきから、龍之介の苦笑い。

こんな風に笑う事、あんまなかったのにな。

いつも
無邪気に笑って、馬鹿言って。

可愛い弟で。

……

少し会わないだけで
やっぱり変わってくんだな。

私の知らない龍之介……

違う。

そうじゃなくて……