翌朝。


目が覚めると健の寝顔が目の前にあって、一瞬心臓が止まってしまうかと思った。


そういえば昨日、あのまま一緒に眠ったんだっけ。


昨日の記憶を呼び起こしてホッと息を吐き出した。


窓の外はもう明るくて広間のほうから話し声が聞こえて来る。


「健、起きて」


あたしは健の体をゆすって起こした。


まだ眠たそうに目をこする健に、思わず胸がキュンッとしてしまった。


こんな時になんて事を思っているんだろうと、あたしは強く首を振った。


「あれ? 俺、こんな所で寝ちまったのか」


大あくびをしながら上半身を起こす健。


「そ、そうだよ。みんな起きてるし、早く行かなきゃ」


健を急かして部屋から追い出す。


なんだか照れくさくて、健の顔を見ている事もできんなかった。


あたしはすぐに着替えをして、部屋を出た。