みんなで考えた計画はシンプルなものだった。


1人10分間、あの部屋の中に入る事。


その間、他のみんなは部屋の外で待機し、部屋の中から物音が聞こえればその都度ドアを開けて中を確認すること。


中に入っている時に気分が悪くなったり、体が溶けはじめたりすれば、10分を待たずに部屋から出て来ること。


だけど、一番の問題は、あの部屋の中が心地いい。


という部分だった。


入った本人が部屋から出たくないと感じるかもしれない。


そうなった時は、10分経過すると同時に無理やり外に連れ出すしかなかった。


あたしたち、女の子はまだそれが可能だ。


でも、健や弘明を無理やり部屋の外へ連れ出す事ができるかどうか、不安だった。


もし部屋の中で抵抗されれば、そう簡単には連れ出す事はできないだろう。


特に弘明だ。


攻撃的な性格をしている弘明を無理やり連れ出すのは、勇気がいる。


もし殴られたりしたら、気持ちがひるんでしまうだろう。


そこで考えたのが、健と弘明が部屋に入る時には、その両手をロープでしばっておく。


というものだった。