聞こうかと思ったけれど、みんなが部屋を奥へと移動し始めたのであたしは黙ってついていく事にした。


リビングダイニングの奥には真っ白な廊下。


その左右に7つのドアがあり、6つの部屋はすべてベッドと机とくローゼットという同じ家具で統一されていた。


しかし、右手の奥にもう1つあるドアはどういうわけか開かなかった。


「ここってもしかして宿泊施設なんじゃないか?」


健が思いついたようにそう言った。


部屋を見ていてあたしもそう感じていたところだった。


「そうかもしれないな」


小柄な男の子が頷く。


廊下の突き当たりにはもう1つドアがあり、そこを開けるとガランとして何もない部屋が現れた。


「この部屋だけ埃っぽいな」


ヤンキーがそう言い、せき込んだ。


窓から差し込む太陽の光で、部屋のホコリが舞っているのが見えた。


「もしかしたら、作っている最中なのかもしれないね」


派手な女の子がそう言う。


「だからこんなに綺麗なのか。作っている途中ならホコリが舞っている理由も説明がつくしな」ヤンキーが返事をして、ドアを閉めた。