何が起こるか何も予測できないこの状況で、常に動ける状態を作って置くということは大切なことだと思えた。


あたしはまた麦茶をひと口飲んだ。


さっきよりも美味しく感じられる。


気持が落ち着いて来たのか、心なしか空腹感もあった。


「なにか、作ろうか」


自分の空腹感に反応して、あたしはそう言った。


「あぁ、そうしようか。食べられるヤツ、いるか?」


そう聞くと、伶香がおずおずと手を上げた。


申し訳なさそうな表情を浮かべているけれど、生きていく上で必要な事だ。


「一緒に食べやすいものを作ってくれる?」


そう聞くと、伶香は「うん」と、頷いてくれたのだった。