あたしたちはただここにいるだけじゃないってことを。


「で、何を書けばいいんだ?」


健が聞く。


「とりあえず、みんなの共通点を探そうと思うんだ」


「共通点?」


あたしは聞き返した。


「そう。何か共通するものがあるからここへ集められたんじゃないかって事。もし共通点がなけえれば無差別に選ばれて連れてこられたってことだ」


なるほど。


それがわかったところでここから出られるわけでもないけれど、真実に少しでも近づく事でわかって来る部分もあるだろう。


時間だって余るほどにあるのだ。


「わかった。高校はみんな知ってるから、趣味とかそう言った系統を書いて行こうか?」


伶香がトシに聞く。


「あぁ。とりあえずその線で行ってみよう」


トシが頷き、それをきっかけにみんながペンを動かし始めたのだった。