郁美がそう言い、崩れた頬に涙が流れて行った。


「郁美……」


あたしは郁美の手を握りしめる。


早くここから出してあげたいけれど、もうそれも絶望的だった。


誰も、この建物から出る事はできない。


臓器売買という恐ろしい組織の建物に死ぬまで監禁されるしかない。


「ごめんね、マミちゃん……生まれ変わったら、本当の友達になろうね……」


最期にそう言うと、郁美はもう二度と目を開けてくれなかったのだった……。