「あたしは……マミちゃんに悪い事しちゃったからね……」


「郁美はなにもしてないよ? 何も、悪くなかったよ?」


あの映像の中で、郁美だけはマミちゃんに関わっていなかった。


それなのにどうして郁美が選ばれてしまったのか、あたしにはわからなかった。


「違うんだよ明日花……。あたし、1年生の頃弘明の事が好きだった」


「え……?」


あたしは驚いて郁美を見た。


「弘明がマミちゃんをいじめているのを見て、あたしも何度も参加してたの」


「嘘でしょ……?」


郁美がマミちゃんをイジメていたなんて、全然記憶にない。


「弘明がマミちゃんを構っているように見えて、腹が立った時もあった。だからね、2人を引き離すために沢山嘘をついたんだよ……」


郁美の言葉にあたしはハッとした。


映像の中で郁美が弘明と伶香に何かを言いに来た。


その後2人はすぐ公園から出て行ったから『親が呼んでたよ』といった類の事を伝えたんだと思っていた。


でも、それ自体が嘘だったのだ。


だけどそれを信じた弘明と伶香はマミちゃんを置いて帰って行ってしまったんだ。


「本当に……ごめんね……」