すべての映像を見終えたあたしたちは茫然としてその場に立ち尽くしていた。


自分たちがここに集められた理由がようやくわかった。


そしてそれは、自分たちを救うためのヒントになるのではなく、自分たちを絶望へと突き落とすものだった。


「出られないんだよ……」


そう言ったのは部屋の隅で座り込んでいた伶香だった。


あたしは何の気力もないままに、伶香へと視線を向けた。


たった数時間で、随分老けてしまったように見える。


ここに来たときにはシッカリとメークがされていて可愛かったその顔は、今では残っていなかった。


「最初から、あたしたちに助かる方法なんてなかったんだよ」


伶香が言う。


そうなのかもしれない。


マミちゃんを死に追い詰めてしまったあたしたちを許すつもりなんて、犯人にはなかったのかもしれない。


助かるはずのない建物の中で右往左往している自分たちを見て、笑っていたのかもしれない。


これほど人に恨まれていたなんて、情けなくて悲しくて、言葉にもならなかった。


あたしは重たい体を動かして部屋の外へ出た。


フラフラと彷徨うように歩き、郁美の部屋へ向かう。


「郁美……入るよ?」


ノックもせず、声をかけるだけでそのドアを開けた。


「明日花……」


郁美が微かに目を開けた。


「郁美……。すべてがわかったよ」


あたしはベッドの横に座ってそう言った。


「そう……マミちゃんの事も……?」


「……うん」


あたしは込み上げてくる涙を押し殺して頷いた。