しかしその目は真っ赤で、泣きはらしているのがわかった。


しっかりとカメラの方を向いているし、家の中の映像だ。


これは監視カメラの映像じゃなさそうだ。


「あたしは許さない」


女性は震える声が言った。


恐怖ではない。


怒りで震えているのだと、すぐにわかった。


「マミを殺した奴らを許さない!」


「これ、マミちゃんのお母さん……?」


伶香が言う。


きっと、そうなのだろう。


言われてみればマミちゃんに似ている。


画面上で、女性は包丁を取り出した。


その刃が鋭く光っている。


「何する気だよ……」


弘明が呟く。


女性は誰かの名前を呟き始めた。


それが、マミちゃん失踪に関係した人間や組織の人物の名前だとわかったのは、あたしたちの名前が読み上げられてからだった。