部屋の中には白いカーペットが敷かれ、綺麗な勉強机と赤いランドセル。


子供向けのオモチャが綺麗に整頓された状態で置かれていた。


「大丈夫か?」


健が後ろから声をかけて来る。


「たぶん、大丈夫だと思う」


突き当たりの部屋のような、妙なホコリは舞っていない。


「俺が先に行く」


それでも健が気にして先頭に立ち、部屋の中へと入って行く。


その後にあたし、伶香、弘明と続いて部屋に入って行った。


部屋の右手には小さなテレビが置かれていて、そこだけ子供部屋に不似合いだと感じられた。


「これ、なんなんだ?」


弘明が首を傾げて部屋の中を見回した。


「考えられる事とすれば、マミちゃんの部屋を再現してるんじゃいかな?」


あたしはそう答えた。


マミちゃんの部屋に入った事はないけれど、赤いランドセルや女の子向けのオモチャを見ると、そうじゃないかと考えられた。


「この部屋で何をすればいいんだろうな」


健が机の引き出しの中を確認しながら言う。


「机にはなにもないの?」


伶香がそう聞いた。


「あぁ。中は空っぽだ」