マミちゃん1人がこんな事をするとは思えない。


誰か他の、大きな力が加わっているんだろう。


マミちゃんの怨みを晴らしたいと思っている人が手を貸しているようにしか思えない。


「明日花は、どうしてここにいるんだろうな」


不意に健がそう言った。


「どうしてって……あたしもイジメの傍観者だからでしょ?」


「そうかもしれないけど、公園の中で一番マミちゃんを気にかけてたのは明日花だろ?」


そう言われて、あたしは首を傾げた。


確かにみんなと遊んでいない時は時々マミちゃんに話かけていたかもしれない。


だけどそれくらいじゃ友達とも言えない関係だ。


「俺さ、嫌な記憶の中でお前の事をすげぇなって思った事はしっかり覚えてるんだ」


「そ、そうなの?」


「あぁ。みんながマミちゃんから離れていく中、お前だけはいつも通りに接してた」


健にそう言われてあたしは照れくさくなってしまった。


自分の行動にそこまで自信があったわけじゃないし、心の中ではマミちゃんがグループに入らない事を安心していた。


きっと、あたしはマミちゃんへ申し訳ないと感じていたんだ。


それが行動に出ていただけなんだと思う。


「過去のイジメが原因でここにいるんじゃないとすれば、また考え直さなきゃね」


あたしがそう言うと、健は「あ~、そうだった」と、頭をかいたのだった。