マミちゃんの事を思い出すと同時に、あたしはその存在を疎ましく感じていたことを思い出していた。


ベッドで横になり、ぼんやりしていると次々マミちゃんへの感情が蘇って来る。


人と違い集団行動が苦手だったマミちゃん。


授業に遅れて出席したり、授業中なのに突然教室から出ていく事は多々あったみたいだ。


そういう自分勝手な行動は公園内でもよく見られていた。


みんなでサッカーをしていても、マミちゃんは1人でボールを持って走って行ってしまう。


その度にゲームは中断され、マミちゃんからボールを奪い返す必要があった。


マミちゃんの事をよく知らない公園の友達は、次第にマミちゃんを輪の中に入れなくなっていった。


あの子はサッカーの邪魔をするから。


あの子がいたらつまらないから。


そんな理由で、マミちゃんはいつの間にか一人ぼっちで遊ぶようになっていた。


あたしはそんなマミちゃんを気にしていたけれど、内心ホッとしていたんだ。


マミちゃんが入らない事でしっかり遊べるようになったし、余計な心配をする必要もなくなった。


マミちゃんの障害については少しだけ先生から教えてもらっていたけれど、小学校1年生のあたしがそれを理解することは、できていなかった。


「明日花、入っていいか?」


ノック音の後に健の声が聞こえてきて、あたしは上半身を起こした。