「あたしたちが気が付いてないだけで、今も一緒にいるかもしれないってことだよね? もしかしたら、高校に上がってから学校が一緒になったりとかさ」


郁美が更にそう言った。


その可能性はあるのかもしれない。


でも、いくらクラスメートや友人たちの顔を思い出してみても、公園の彼女に結びつきそうな子はいなかった。


「わからない」


あたしが左右に首をふってそう言うと、伶香は残念そうに息を吐き出した。


「ご、ごめんね、中途半端異にしか思い出さなくて」


慌ててそう言うと、「明日花は悪くないだろ」と、すぐに健が言ってくれた。


その様子に郁美がクスッと笑った。


不愉快に思われているかもしれないと思ったけれど、郁美はもう気持ちを切り替える事ができたみたいだ。


「とにかく、今日は少し考えた番号を入力しようと思うんだ」


健がそう言った。


みんなの視線が集まる。


「考えた数字?」


弘明が聞く。


「あぁ。たとえば、みんなの誕生日の月とか、小学校1年生の頃のクラスとか」


「なるほどな。みんなの共通点を集めるんだな」


「そういう事だ。人数が6人で番号は5ケタだから、開く可能性は極めて低いけどな」


それでも、わからないまま適当に入力するよりはマシだと思えた。