「悪かったな」


そう言い、立ち上がると洗面所へと向かった。


ここは本当に宿泊施設のようで、洗面所やお風呂には人数分の歯ブラシやスポンジなどが準備されていた。


もう少しでオープンするんだろう。


あたしは健の後を追いかけるように洗面所へ向かい、隅に置かれている洗濯機にパジャマを入れた。


「なんだ、洗濯するのか?」


「うん。たぶんここの従業員さんがちゃんとクリーニングに出すと思うけれど、脱ぎっぱなしは失礼でしょ」


あたしがそう言うと、健は感心したようにため息を吐き出した。


「ひげを剃ったらパジャマを持ってくるから、少し待っててくれ」


そう言うので、あたしはクスッと笑ったのだった。