「名前も顔もしっかりと思い出す事はできなかったけど、確かにいたんだよ、あの公園に!」


首をかしげるあたしたちに弘明が言う。


「わかった。とりあえずお前は部屋に戻って休憩してろ。俺たちもすぐに終らせる」


健はそう言うと弘明のロープをあたしに渡して来た。


次は自分がはいる。


そう言っているのだろう。


あたしはぎこちない手つきで健の腕にロープを結んだのだった。