そのままの君で

運命の番号を書いた紙を見上げる人混みの一番後ろで受験番号の紙を手に握りしめてどうか合格していますように!と
何度も心の中でお願いする。
今さらながらの神頼み。

「由乃(ゆの)ほら、行くよ」

麻琴に背中押され一歩踏み出した。

「あったー!やったー!」と喜ぶ子。

悔し涙を浮かべる子。

一緒に来ていたお母さんに肩を抱かれる子。

発表の紙を写メに撮る子。

そんな輪の中をまだ心の中で
お願いしながら目を閉じて歩く私。