そのままの君で

「へへ、由乃に話せてよかった。
いっぱいいっぱいだったんだ。
誰かに聞いてもらえて覚悟できた!」

覚悟かぁ、そうだよね。
好きな人に想いを伝えるのは
勇気と覚悟がいるよね。

「由乃は誰かにあげないの?」

そう聞かれて

「う、うん、」
と誤魔化す私は本当に意気地なしだ。

そんな自分が情けなくて
教室について自分の席に座っても
ただボォーっとしていた。

朝練の後教室に来る旬君は
いつも始業チャイムギリギリ。
今日もまだ席にはいない。

だけど、
始業のチャイムが鳴っても
まだ席についていない旬君。
やっと来たのは
朝のHRが始まってからだった。