「ひびくーん」

私はひびくんをいつもどうり‥‥じゃない。今日は1ヶ月に1回くる甘えたい時期なのだ。

「ねぇー、ひびくんってばぁー」

ひびの「‥‥」

そう、さっきからひびくんはこの調子。私がいるのにも関わらずスマホで誰かにお話中。

「ひびのー!」

強く呼んでみると

ひびの「なに?」

いつもより低めに聞いてきた。

「今、ひびくんの彼女はどんな気持ちでしょうか!」

ひびの「‥‥しらない。あと、用がないなら呼ばないでよ。」

ひびくんが本調子じゃないことを察したから、いつもなら引き下がるけど、今日は自分が甘えたがっていて

「なんでそんなに冷たいのさ‥‥ねぇー」

なんて言ってしまう。

ひびの「あぁ、もう!甘えるの禁止ですっ!」

ピシャッと言われて固まる私。

ひびの「ごめん。ちょっとあっちに行ってて。」

そう言われ、何か暖かいものがこみ上げてくるのがわかった。

「‥‥わかった。」

出ていけ。なんて言わないのがひびくんなんだというのだけ。それだけはわかった。