「…は!?マジかよ!?」



再び箸を落とす牛奥。



「はぁ!?お姉ちゃんが元婚約者ぁ!?」


ゲホッと飲んでいた水を吹き出しそうになる莉央。



「あ、ごめん…そういえばまだ莉央にはお姉ちゃんのこと話してなかったよね…」


「いや…ていうか何が衝撃だって、あのイケメン桐原様でもそんな事があるっていうのが一番の衝撃だわ…」



莉央が、うんうん、と感慨深げに頷きながら言った。



「で、その元サヤの姉ちゃんが現れてどんな感じなの桐原さんは」


「いや、なんか、もう俺には関係ないって…」


「怪しいわね!!」




ギラリと莉央の目が鋭く光る。




「かつて一度は結婚しようとまで思った女だよ!?そんな簡単に割り切れるもんじゃぁないでしょ」


「だ、だよね…」



ズドンと落ち込んだ私を見かねて牛奥が「おい!」と莉央の肩を小突いた。



「なに不安にさせてんだよ!脅すなよ」


「脅しじゃない、忠告よこれは」




とにかく、と莉央がビシッと私を指差して言った。




「要経過観察。目を離しちゃダメだよ明里」


「う、うん…」