[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。





「それで、この家から徒歩10分圏内の公立高校を受験して合格して。晴れて実家に帰還しました」



私の説明はこれでおしまい。
……のはず。



「これ以上話すこと見当たらないから、何か気になることがあったら随時聞いて?」



そう言うと「適当だなおい」なんて言いつつもうなずいてくれた。



次は彼の番。



「えっと……いづか、君はなんでここに?」


「湊でいい。伊塚って呼びにくくない?」


「まあ、呼びにくいね」



否定はしない。
連呼してると口が疲れそう。



「俺が受験して合格した高校が、実家から通える場所になくて。ひとり暮らしするかーっていう話になった時に優花さんが声をかけてくれたんだ」



「お母さんが?」