そんな言い合いをしていると、朝から地面を打ち付けていた雨脚がさらに強くなった。


ザーザーと雨が降りしきる音が窓の外から聞こえる。



「……頭痛くなってきた」



ポツリとそうつぶやくと湊君は画用紙から顔をあげて首をかしげた。



「もしかして実花って低気圧に弱いタイプ?そういえば引っ越してきた日もさっさと部屋に入ってったよな」



そういえば、私が実家に戻ったあの日も夜雨が降って雷が鳴っていたっけ。



「んー、そんなところかな」



もっとも……。

あの“最悪の日”以前はこんなこと無かったんだけどね。


あの日以来、私は雨も雷も嫌いだ。