「あれ、そうだったっけ?じゃあみんなで急ごうか!!」
そう言って明るく笑う実花。
ほんの少し残念そうな表情を浮かべる秀。
……お前、本当に煩悩の塊だな。
「はぁ」
小さくため息をついた時だった。
隣にいる奈津美が俺の服の袖をひかえめに引いた。
「みっちゃん?ご機嫌ななめ?」
「……まさか。どこに機嫌悪くする要素があるの」
どこにもイライラする要素はない。
マイペースな実花の言葉にほんの少しあきれたけど。
でも別に不機嫌になるほどのことでもない。
実花のマイペースや適当さはすでに知ってるから。
なのに、なんで今俺の心はこんなにざわついてるんだ?



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)