「帰ってこなかったらどうしようって…思った」 湊君の声、震えてる。 私も力いっぱい湊君の体を抱きしめる。 「マグカップ割って、ごめん」 「いいのっ」 「替えがきくとか思っててごめん」 「それももういいからっ」 湊君は小さな声でつづけた。 「もしも俺が実花の立場だったらどうだろうって考えた。…寂しいよな。おそろいのものに替えがきくとか言われたら。まるで…自分の存在も替えがきくって思われてるように感じる」 ズッと鼻をすすった私の髪の毛に手をかき入れる湊君の手は優しい。