「まあ、マグカップなら他にもあるから新しく買いに行ったりしなくていいだろ」
キッチンからゴム手袋をとってきて、それをはめながら新聞紙を割れたマグカップの隣に広げる湊君はそう言った。
「…だ」
「え?」
「やだよ!!おそろいだったんだよ…ふたつでひとつだったんだよ……!!他のなんて、嫌!!」
マグカップの破片を持って湊君は唖然。
…そうだよね。
私、今までこんなにマグカップひとつのことくらいで心乱したことなかったからビックリするよね。
でも……やっぱり悲しかったんだ。
おそろいじゃなくても、他のでもいいって言われたことが。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)