「え……?」


私がお父さんのことを教えると若菜は一瞬にして表情を曇らせた。

そんな顔しなくていいのに。


私は苦笑して、手をパタパタ振りながら明るく言う。



「もう何年も前のことだから大丈夫!!そんな気を遣わなくていいからね!!」


「そ…っか。でも今日が初対面なのにこんな話させてごめん」



真面目な顔をして、謝ってくれる若菜。

きっとこの子はいい子なんだ。
そう確信して嬉しくなった。


若菜と席が前後で。
若菜と話が出来て、友達になれてよかった。



「ありがとう、若菜」