Tシャツにジーパンというラフな格好をしてリビングに入ってきた湊君は首をかしげる。 そんな湊君に、私は自分の体の後ろに隠していたちっちゃな箱を差し出した。 「湊君!!少し早いけど、誕生日プレゼント!!」 『おめでとう』はまだ言わないでおくね。 湊君の誕生日の日までとっておくね。 湊君は何度か瞬きを繰り返してから、私が差し出す箱を受け取った。 「……ありがと。開けていい?」 「もちろん!」 丁寧に包装紙をはがし、白い箱を開けた湊君は中身を手にとって顔をほころばせた。 「時計だ」