「娘への暴露です。……私は仕事が忙しくてあまり娘にかまってあげられませんでした」
私に向けての暴露……?
お母さんの声に全意識を集中させて耳で拾いとる。
「お父さんが亡くなってから寂しい思いばかりさせていました。気付いたらひとりで何でも出来る子になっちゃっていて、頼ることを知らない子になってて」
お母さんの言葉が紡がれる度に、泉から水が湧き出るように身体の奥から何かが溢れてくる。
「久しぶりに帰ったから、手料理食べさせてあげるねって言っても『お母さんは休んでて』って言われて。母親としてのメンツ丸潰れです」
その言葉はステージ前にいる人たちの笑いを誘う言葉だったけど、私は全く笑えない。
「……実花!!実花はね人に頼ることが苦手で、とても優しくて、誰よりも可愛い私の宝物なの」
ツーッと、涙が頬を伝った。
お母さんは私をこんなにも大事に思ってくれていたんだ。
こんな風にお母さんの気持ちを聞くのは初めてで、心がじわじわ暖かくなる。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)