[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。




「娘への暴露です。……私は仕事が忙しくてあまり娘にかまってあげられませんでした」



私に向けての暴露……?

お母さんの声に全意識を集中させて耳で拾いとる。



「お父さんが亡くなってから寂しい思いばかりさせていました。気付いたらひとりで何でも出来る子になっちゃっていて、頼ることを知らない子になってて」



お母さんの言葉が紡がれる度に、泉から水が湧き出るように身体の奥から何かが溢れてくる。



「久しぶりに帰ったから、手料理食べさせてあげるねって言っても『お母さんは休んでて』って言われて。母親としてのメンツ丸潰れです」



その言葉はステージ前にいる人たちの笑いを誘う言葉だったけど、私は全く笑えない。



「……実花!!実花はね人に頼ることが苦手で、とても優しくて、誰よりも可愛い私の宝物なの」



ツーッと、涙が頬を伝った。

お母さんは私をこんなにも大事に思ってくれていたんだ。


こんな風にお母さんの気持ちを聞くのは初めてで、心がじわじわ暖かくなる。