[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。





「今だけじゃない。……ずっと、ダメ」



そうまっすぐ目の前にいる男の子を見据えて湊君は言って、私の腕を掴んだまま歩き出した。



「ちょっ、み……伊塚君!!どうしたの!!」



私の前を行く湊君に声をかけるけど、答えてくれない。

ご機嫌ななめ?
やっぱり、秀君とお化け屋敷に入ったことが相当堪えてるのかな。



いや、でもさっきまで普通に話してくれてたよね。

『なんだなんだ、一体』
そう頭の中でつぶやくのは本日3回目。



湊君に引っ張られるようにして、背中を追いかけていると突然湊君は足を止めて私の方を振り返った。