[完結]お試し同居してみたら甘い恋がはじまりました。





それから、校舎内を巡回していたのをグラウンドに移動してウロウロしていると同じクラスの男の子が私に声をかけてきた。


「二條さん、今時間大丈夫?」



どこか落ち着きがなくソワソワしているそのクラスメイト。

彼の後ろの方で、彼とよく一緒にいる男の子数人がヒソヒソと話して彼にガッツポーズを向けたのが見えた。


なんだなんだ、一体。



「ごめんね、今委員会の仕事中で……」



そう言った時だった。

湊君がグッと痛いくらいに私の腕を掴んで、引き寄せた。


バランスを崩した私は湊君の肩に側頭部をぶつけた。


なんだなんだ、一体。