左腕に【風紀委員】と書かれた青い腕章を付けて校内を巡る。
……ちらちらと、見られている視線を感じながら。
うーむ。
腕章付けて仕事中です!!って公言してもやっぱり私たちの関係を深読みする人たちが結構いるみたい。
ちらりと、私と同じ腕章を付けて私の隣を歩く湊君の顔を見上げる。
湊君はどこかうんざりしたような表情をしていた。
「湊君?何かあったの?」
「ん?ああ、秀のお化け屋敷巡りに付き合わされて疲れた」
「あれ。湊君ってお化けダメだったっけ?」
首をかしげると、湊君は「いや、」と続ける。
「別にダメじゃないけど、秀がやかましくて」



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)