お母さんは張り切ってそう言ってくれたけど、私は首を左右に振る。
「いつも仕事頑張って疲れてるんだから、私と湊君で作るよ。お母さんはゆっくり休んでていいよ」
そう言うと、お母さんは困ったように微笑んで私の頭をクシャッと撫でた。
左手薬指についた結婚指輪の固さをうっすらと感じる。
これは、お母さんが今でもお父さんのことが大好きな証拠。
「……本当、人に頼らない子になっちゃって」
ポツリとお母さんはそうつぶやいた。
♡♡♡♡
1時になり、委員会の仕事である校内巡回が始まった。
さっきまで一緒にいたお母さんは校舎の1階に設営してある休憩室で、おばあちゃんと楽しそうに談話してたから置いてきた。
何かあったら連絡してねって言ってあるから大丈夫なはず!!



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)