「実花」 体が突然後ろに持っていかれ、耳元で名前を呼ばれた。 私のお腹のあたりでクロスしている腕にがっちり捕獲され身動きが取れない。 「……湊君、廊下を誰か通ったら色々終わるよ?」 そんなことを言いつつも、湊君がくれるぬくもりが愛しくてそっと私のお腹の前にある腕に手を添えてしまう。 うーん……なかなか、重症。 私湊君中毒かもしれない。 「……風紀委員の巡回の話、どうなったんだ?」 「え?」 「長松に誘われてたやつ」