「実花はさ、バラしたい?俺と付き合ってるってこと」
「え?バラしちゃってもいいの?」
暗黙の了解的な感じで私も湊君も周囲に付き合い始めたことを悟られないように行動していたんだけど……。
あー、でもその努力は報われず、今日の湊君の行動で鎮静化してた噂がまた広がり出すかも。
私がケガしたことにすごく動揺して、後ろから私の手を握り、それを冷水にさらす姿は滅多に見られない湊君だった。
『伊塚湊は二條実花に対してかなり過保護だ』とか、そんなことを言われそう。
「……まあ実花がいいなら隠し続けるか」
「いきなりどうしたの?」
「特に深い意味はないけど」



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)