湊君はそう私に叱責を飛ばしながらも、私の左手を引いて水道の蛇口を捻る。
蛇口の下にある私と、私の手を握る湊君の手は一瞬でずぶ濡れに。
水の勢いが強かったせいで、捲ってはいたけど作業をしているうちに落ちてしまっていた湊君のカーディガンの袖口まで濡れた。
も、申し訳ない……!!
「伊塚君、カーディガンの袖濡れるから手を離して!!私ちゃんと自分でなんとか出来るから!!」
そう言うけど湊君は私の手を離してくれない。
これはもう、何を言っても聞いてくれないな……。
そう思い、私はそれ以上湊君の行動に口出しするのをやめた。
流血が収まってから、私はひとりテクテク歩いて保健室へ。
結構深く切っちゃってたから、もしかしたらガーゼと包帯で手当されちゃうかもなー。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)