それって俺のことを恋愛対象として意識してるから出た言葉だろ?


……どれが実花の本心なんだよ!!


地団駄を踏みたくなる衝動を抑えつつも、「クソッ」と声を漏らす。

そんな俺を見た奈津美はクスリと笑った。



「……みっちゃん、本当に実花ちゃんのことが大好きなんだね」


「好きだよ。手放したくない程度に」



実花に電話をかける前、俺は奈津美の告白に返事をした。



『実花のことが好きなんだ。だから、ごめん』



その、俺の言葉に奈津美はただ黙って少し寂しげに微笑んで頷いた。