それもそうだ。 学校で下の名前で呼び合ってみたら一瞬にして事実無根の噂が学校中に流れることになる。 「了解です。私のことも名字で呼んでね。家では実花でいいから」 「ん。……あ、あとこれ一番重要なんだけど」 あまりにも真剣な顔で言うから、思わず背筋をピンと伸ばした。 実は重病抱えてて、いつ発作が起きるか分からない体……とか? 「俺の生活リズム、狂わせないで」 …………。 うん?今なんて言った? 「はい?」 おもむろに湊君は立ち上がり、電話横のメモを手にして戻ってきた。