「奈津美!!お前、数学出来たか?」 「……えへっ、赤点!!」 奈津美ちゃんは可愛らしく笑って、そんな奈津美ちゃんを見て湊君は困ったように笑った。 「ったく……放課後教えてやるから帰るなよー」 「ありがとうみっちゃん!!」 ふたりの親密なやりとりに、ほんの少しモヤッとしたのは誰にも内緒。 私だけの秘密。 ……そう思っていたのに。 「実花ってさ、伊塚君のこと好きでしょ。ずっと寂しそうな顔してる」