「二條の方が頭いいっしょ。学年1位に『めちゃくちゃ頭良い』って言われてもなんか複雑なんだけど」
そんな声が後ろから聞こえてきて、振り返ると湊君がいた。
「伊塚君……よくも学年次席の座を奪ってくれたな!!」
「そのセリフ、悪役みたいだからやめた方がいいと思うけど」
「あ――――っ!!まじで抹殺したい!!」
ふたりのやりとりを見て苦笑していると、全力疾走して私の前に現れた斎藤君が必死そうな表情で言ってきた。
「二條さん頼む!!追試の勉強教えてくれ!!」
……ありゃー。
赤点とっちゃったんだね、斎藤君。
「私、教えるの得意なのかって聞かれたらうなずけないんだけど……」
「それでもいいから!!得意じゃなくても教えてもらえるだけで十分だから!!」



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)