「ちょっ、お母さん!!お母さん!!」
なんて何度も呼びかけても切れてしまった電話からお母さんの声が聞こえてくることはない。
……お小言食らうと思って逃げたね、お母さん。
とは言っても、お母さんを責めたところでどうにもならない。
私は小さくため息をついて携帯画面の明かりを落とした。
バイバイ、ホーム画面の大好きなイケメン俳優。
「とりあえず、一緒に暮らそう」
じっと湊君を見つめそう言うと湊君はうなずいた。
「まあ、とりあえずそれしか無いよな」
私はもちろんここしか家がないし。
湊君も新しくアパート借りるの大変だし。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)