小さいころは一緒に引っ越ししてたらしいけど、私が物心ついた時からはお母さんがひとりで日本全国飛び回っていた。
2年やそこらで仕事場が変わるお母さん。
それに私を連れまわしたら仲良くなった友達ともすぐ離れてしまう。
そのことを申し訳ないとか、そんな風に思ってたんだと思う。
お母さんが家にいない間はお父さんやおばあちゃん、おじいちゃんが面倒みてくれてたけど中学に入って寮生活が始まってからそれも無くなった。
だからこの家は割と汚い状態で放置されてると思ってたんだけど……。
お母さんの計らいで思わぬ住人がいたおかげで、私が住んでいた時よりも綺麗な家に様変わりしていた。
『湊君はしっかりしてるから大丈夫!!安心してふたりで暮らしてね!!じゃあお母さん仕事に戻るから!!』
ブチッと一方的に切られた電話。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)