もしもあの時、私がもっと強く止めていたら。
もしもあの時、私がお母さんを起こしてお母さんと一緒に止めていたら。
大好きなあの人は、今も私のそばにいてくれていたのかもしれない。
震える指先。
私はもう大丈夫だって。
乗り越えたって自分に言い聞かせて強く立っていたけれど。
やっぱり、あの時と同じ7月の嵐にだけは耐えられない。
……何か飲んで、落ち着こう。
そう思いよろよろとベッドから降りて部屋から出た。
ゆっくりと階段を下りている途中、私が焦燥していたのと暗いのとが相まって段差を踏み外してしまった。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)