開口そうそう抗議すると、電話越しにケラケラと笑い声が聞こえてきた。
『だって教えたら、実花が帰りにくくなるでしょ?』
……さすがお母さん。
よく私のことが分かってる。
でも!!それでも報告、連絡、相談は必要でしょう!!
家に帰ったら突然イケメンがいました!!
なんて、とんだドッキリだよ!!
心臓何個あっても足りないよ!!
……って言うほどの動揺はしてないんだけど。
「……で、お母さんは湊君に留守を任せて今どこに?少なくとも同じ市にはいないよね?」
『今ねー、福岡ー。2年はこっちで暮らさないといけないみたい』
……ちょっと今、意図的に気絶したくなった。
お母さんの職場は支社が日本全国に複数あって。
お母さんは俗にいう、転勤族。



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)