首をかしげると、彼……湊君はうなずいた。
長い脚を組んで、その上に頬杖をついて話す姿はまるで彫刻みたい。
「うちの母親と優花さんが大学時代からの親友らしい。で、母さんづてで俺が行く高校が優花さんの家から近いっていうことを知った優花さんがここに住んでいいよって言ってくれたんだ」
……それで湊君はうちにいるのか……。
でも私、その話一切お母さんから聞いてないんだけど!?
先週きちんと実家に戻ることを電話で報告したはずなんだけど!!
わたしは羽織っていた薄手のカーディガンのポケットから携帯を取り出し、お母さんに電話をかける。
4コールして、ようやくお母さんに電話がつながった。
「お母さん!!なんで家に男の子が住んでるって教えてくれなかったの!!」



![[完結]初雪が降る前に~君がくれたもの~](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10207-124.png)