「いいよ。しずの行きたいところに付き合う」


「ほんと?」


「うん」


「やったぁ」


「はは、お子ちゃま」



目を輝かせて喜ぶ私をれおが笑った。


やっぱり好きだなぁ、れおの笑顔。


私まで幸せな気持ちになれちゃう。


お子ちゃまって聞こえたけど、今は機嫌が良いから聞かなかったことにしよう。



ルンルン気分で「いつにするー?」とアプリの手帳を開いてれおに詰め寄る。


すると、れおも自分のスマホを出してカレンダーを開いた。


れおの手元を覗き込みながら、自分の予定とすり合わせる。


私もれおも推薦入試だから、本命校の受験を1月末に控えている。


それを考慮すると、デートは2月以降になるかな。


それとも、私立の受験が終わってから?



「2月の最初の土曜日は?」


「土曜日って、2月4日?」


「うん、しずの誕生日」


「覚えててくれたの?」



嬉しい。


誕生日にれおとデート出来るなんて。


ちゃんと覚えていてくれたなんて。



「当たり前。毎年プレゼント渡してるだろ」


「うん……!」



あまりの嬉しさに、私はれおの首元に手を回して抱きついた。


「わ」とれおの驚きの声が聞こえたけど、嬉しすぎてそれどころじゃない。


あーもう、早く来い私の誕生日。