大雅の前にいるれおの姿にチラリと目を向ける。


男子は男子で集まって記念撮影をしていて、盛り上がっている様子。


れおも笑ってはいるけど、みんなとはどこか一線を引いているように見えた。



「大雅、ちょっと」


「なんだよ?」


「いいから来て」


「なんだよ」


「早く」



怪訝に眉をひそめながらも、大雅は男子の輪を抜けて私の後をついて来る。


教室の中で撮るのは恥ずかしいと言うので、やっちゃんには先に廊下に待機してもらっていた。



「お前さぁ、怜音とどうなってんの?」


「どうなってるって、何が?」


「全然喋ってねーじゃん。ケンカでもしてんのかよ?」


「…………」



違う。


あれはケンカなんかじゃない。


れおが私を拒絶しただけ。


ただ……それだけ。


ケンカなんかよりも、もっとずっとツラい。



「このままでいいのかよ?お前らがギクシャクしてるの見ると、なんかすっげーむず痒いっつーか」


「ギクシャクっていうか……」



避けてるわけでも、避けられてるわけでもないんだけど。


ただなんとなく、話しかけにくいだけ。


あの日以来、れおに話しかけるのが怖くなってしまった。


またあの冷たい瞳を向けられるんじゃないかって、拒絶されるんじゃないかって考えたら、れおの肩を叩こうとする手が止まってしまう。