私は愛と闇の間で揺れる(仮)

in警察庁at19:00


「失礼します」


目の前のドアをノックしてから声をかける


「入れ」


ドアを開けて中に入る


部屋には2人がけのソファが向かい合うように置かれていて、間に低めのテーブルが置いてある


ソファには叔父が座っていて向かいに知らない外国人が座っていた


「藍雪、久しぶりだな。今日お前を呼んだのは来年のことについてなんだ」


警視総監の顔をした叔父の言葉に思わず唾を呑む


「こちら、FBIのアレックスさんだ」


外国人は立って私の前まで来る


「初めまして。FBIのアレックス.ジェーソンです。」


差し出された手を握りながら私も挨拶をする


「こちらこそ初めまして。西園藍雪です。」


「藍雪」


叔父は静かに私の名前を呼ぶ


私は黙って叔父の次の言葉を待つ


「FBIに入る気はないか？」


「…FBIですか？」


「ああ。奴らは最近、アメリカでも活動を始めたらしい。私は警視総監の立場であまり現場には出られない。


そこで、お前には来年からアメリカの大学に通いつつ、FBIで必要なものを吸収してきて欲しいと思ってな。


警察に入る事は簡単だが、日本で留まって情報が少なくなるのは困る」


「つまり、FBIに入って叔父さんに情報を提供するということですか？」



「ああ。FBIの許可は得てある。話が話だからな」


私は心の中で喜んだ


ついに、来年には復讐の為に動けるようになる


それにFBIに入れば、警察にいる以上に情報が手に入る


「分かりました。アレックスさん宜しくお願いします。」


「アレックスでいいですよ。…では来年の春から我々と共に頑張りましょう。」


「はい！」





私はまだ分かっていなかった


この選択が後に私を苦しめるものだってことを…