5月19日am9:00in寮


テストを1週間後に控えた土曜日


寮のリビングで私以外の皆が勉強会をしていた


「あ、おはよ。藍雪」


「おはよ…勉強?」


「うん!藍雪も一緒にする?」


華がノートから目を離して言う


「…いい。する必要ないし」


「わー!わかんねぇ!」


昴が頭を抱えながら叫ぶ


「「うるせえよ!バカ昴!」」


昴に負けないくらいの声で見事にハモった陽斗と愁


「何でこの世に数学があるんだよ!」


「…勉強出来ない奴の典型的な言葉だね」


「…っう、そ、そういう藍雪はできるのかよ」


私の言葉に怒る昴


「…見せて」


問題集1ページ分の問題を5分で解く


「…全部正解」


信じられないというように呟く陽斗


「そっか!忘れてたけど藍雪ちゃんの前の学校って関西トップだったね」


ハッとした顔を蓮と裕也以外がする


「すごいね!藍雪!中間、上位決定かな」


「藍雪のいた学校でしたら僕らの学校より遥かに難しかったと思いますよ」


「上位入れ代わるかな?」


昴が裕也に聞く


「まあ、1位は取られるでしょうね」


苦笑いをしながら答える裕也


「そっか、1年の時から裕也は1位だったね」


「まあ、離されないように努力はしますよ」


裕也の顔が暗くなった気がした