私はそう一言言うと浪岡の横を通り過ぎた


「……っ。待てよ!話は終わってない!」


私の肩を痛いぐらいに掴みながら言う


「…私は理事長に頼まれてやってるだけど?それにあなたは私自身の何を見て嫌いだというの?」


「…それは女が嫌いだからだ」


浪岡は眉間にしわを寄せながら言う


「…私は女だが、女だとか男だとかで区別されたくない。そんなに狭い視野で物事を見るべきじゃないと思う」


「…っ、俺は母親に捨てやれたんだ…浮気した母親に…」


そう呟いた浪岡を見て私は可哀想な子供を見てる気分になった



そっと浪岡の頭を撫でる


「…同情するな!」


「辛い思いをした人間に同情して何が悪いの?それに、誰かに弱音を言えるのも強さだと私は思う」


言い終わると私は階段の方へ歩く


「あ、ありがとう。藍雪!」


振り返ると浪岡が照れ臭そうにしてた


「別に。…華は?大丈夫なの?」


ふと疑問に思ったことを聞く


「華は良いやつだ」


「…そっか」


そう言って私はお風呂に向かった