教室に入ると、やはり、みんな心配したような目で私のことを見ている。
自分の席に戻ると、前から心配そうな声が降りかかる。
「……美月ちゃんっ、大丈夫?」
私の顔を見ると、どんどん泣きそうになる芹沢さんの顔。
「さっきはごめんね、ありがとう」
少し、顔を隠すようにしてそういった私に、芹沢さんは、少しだけで違和感を感じたらしい。
「あの……っ、」
芹沢さんのか弱そうな声が聞こえたと同時に、廊下の方から大きな声が聞こえた。
「えーーっ、奏太帰んのかよ」
「わりい、ちょっとだるくて」
奏太の声と、その周りの男子の声。



